alisatoの日記

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読了本

サラ・ウォーターズ『荊の城 上』『荊の城 下』
ISBN4-488-25403-9
ISBN4-488-25404-7
『半身』の作者の第二作。
前作と同じくヴィクトリア朝を舞台にしたミステリだが、登場人物が魅力的で波乱万丈な展開なので、陰気で重苦しい雰囲気の前作より、はるかに面白い。
和田慎二ディケンズを翻案した話を繊細な絵柄の少女漫画家が作画したらこんな話ができるかもみたいなー。むちゃくちゃな喩えですみませんが、第三部の強引な展開がそんな感じで。

特に主人公の一人で故買屋に育てられた少女スウが魅力的。ある令嬢の財産を狙った結婚詐欺に荷担するような娘ではあるのですがね。
冒頭のスウの生い立ちを紹介する下町の話は結構重要なので読み飛ばさないほうがよろし。

前作と同じく女性の同性愛を扱っているので、苦手な人は苦手かも。

久々に翻訳小説を読んだ。
『蜘蛛の巣』『風の影』も読もうと思ってるんだけど、文庫でも上下あわせて1500円以上なのね。

山本 航暉『ゴットハンド輝』
愛読している同人作家さまが転んだので試しに読んでみた。結構面白い。一話完結なのに、なんとなく続きを読みたくなる。30巻まで続いているのも納得。

普段はドジだが手術になると天才ぶりを発揮する新米医師が主人公の医学漫画。ハッタリの利かせ方が泥臭くて、いかにも講談社の漫画だよなぁと思う。集英社系だともう少しぶっとんでる感じがする。でも毎回パターンを踏まえつつきっちり読ませるのも講談社の漫画だと思う。

作者は女性だそうで、道理で男性がやけにかっこいい割に看護婦さんに色気がないわけだ。
男性作家だと看護婦さんが無駄に巨乳だったりするんだよね。この作品のナースさんは存在感薄いです。