『さまよえるバイオリニスト』
アパートが火事になるというのは、BLのお約束なのか?
『腐女子的らぶたん』によると、熱出した受けを看病するというのは、お約束らしいが。
高熱の人間を水風呂にぶっこんで熱を冷ますというのが西洋的です(ヨーロッパでは知らないが、アメリカじゃよくやるみたい)。さすがは洋行帰り。
へびの生殺し状態の桐ノ院を見てるのは大変楽しゅうございましたが、2作で終わりかよ。ちぇっ、堪え性のない奴め。3冊分ぐらい悶々としてりゃいいのに。
へびの生殺しシチュに自分の萌えポイントがあることが分かりました。(だから《まるマ》のコンラッドあたりはポイント高い)
『マンハッタン・ソナタ』
バカップル、バカップル、男同士のバカップルが見たかったらこれを読めつーぐらいにバカップル。らぶらぶーべたべたーでもって犬も食わないちわげんか。
桐ノ院のマンションに乱入してきたマッチョピアニストの生島高嶺が面白いですね。
作者がすごく楽しそうに書いているのが分かる。番外編の飯田さんといいい、生島といい、秋月こおはオヤジがすきなのか?
一番面白かったのは、M響のチェリスト飯田の視点の番外編の「百十二分の十一」。もともと私はひとつの事件を複数の視点で見るような話が好きなんだけど(『ブギーポップ』とかゲーム『街』とか)、これも悠季視点とは違った桐ノ院像が現れて楽しい。音楽家小説としてのフジミの良さもでていたしね。
ところで天才ピアニストの生島といえば、竹宮恵子の「ウィーン協奏曲」「ノルディスカ奏鳴曲」の生島怜じゃないのかな。あれから名前を取ったとしか思えない。
1988〜1992年あたりにデビューした人は、いやでも24年組の影響をうけているはずだから。
『リサイタル狂騒曲』
自虐的にぐるんぐるんしている悠季に、桐ノ院、大まじめに愛をこくはく。でもやっぱりお笑い。
物語としてはきれいに終わってますが、続きを読みたい気分。
あー、ちょっとハマったかも。(笑)
これも本編より番外編のほうが面白かった。もっとも本編あっての番外編なんだけどね。
というわけで、『富士見二丁目交響楽団』第一部読了。
圭(とは呼びたくないな。「桐ノ院」のほうがぴったりきます、ワタクシ的には)と悠季のカップルは私の好みとは微妙にズレているので、ハマるとこまではいきませんが、たまに読み返したくなるぐらいには好きになりました。
ともかく物語的に面白いので。濡れ場の描写はなくていいんだけどな。だから番外編のが好きなのかも。
私の中では、谷山由紀や野梨原花南の作品と同じポジションかな。作品は評価するけど、作家買いはしないみたいな。
とりあえず第二部までは読もうという気になってます。