萩原麻里『暗く、深い、夜の泉。 蛇々哩姫』
途中までは、恩田陸から「予感」を抜いたような学園ホラー。
途中からなんだかアクションものみたいになって、最後は……。
いや、ホラーならこれもアリだけどさ、一応ライトノベル系の続き物でこれはダメだろう。
文章や雰囲気作りは割と上手いほうだと思うけど、構成と心理描写が下手な人だ。
桜坂 洋『よくわかる現代魔法 たったひとつじゃない冴えたやりかた 』
魔女のライブラリ編一段落ということかな。今回の主人公は聡史郎+こよみ。きれいにまとまったけど、頭で作った話だよなと思う。本当はこよみの役割を聡史郎が解説するんじゃないくて、読者が心から感じ取るのが思春期的ライトノベルのあり方なんだけど、この作者にはそれは無理なんだろう。
こよみのポジションは分かってる、使い方も分かってる、頭では。でもそれを「たましい」で描くことができないのがこの作家の欠点。