alisatoの日記

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『ムッドレのくびかざり』

初版:
イルメリン=リリウス/作 福田貴/訳 ベロニカ=レオ/画
『ムッドレのくびかざり』
(学研 新しい世界の童話シリーズ 21 ,1967年)
再刊:
・イルメリン・サンドマン=リリウス/作 木村由利子/訳 ベロニカ・レオ/画
『ムッドレのくびかざり』
フェリシモ ,2003年5月,1300円, ISBN4-89432-302-8)

女の子がさんごの角をしたユニコーンのあとを追いかける話。子供の視点で書かれているところは、『いやいやえん』あたりと似てるかな。『ムーミン谷の彗星』あたりに雰囲気が似ています。すばらしいので、ぜひぜひ。

再刊は訳者が変わってしまったのですが、ノスタルジーだけじゃなく初版のほうがよかったと思います。木村由利子さんの訳は達者かもしれないけど、お仕事で翻訳をやっている人の文体。
初版の訳者はプロじゃなくて、外交官かなにかをやっていた人で、自分の楽しみのために訳していたらしいんですが、だからこそ愛情にあふれていて良い感じなんですよ。子供の視点からの言葉を選んであって、ひょっとしたらお孫さんのために訳してたのかも。
ユニコーン」をあえて「つの馬」って訳してあるんです。ユニコーンをみたことがない子供だったら、角のある馬を「つの馬」と呼ぶのはありだろうなと思うんですよ。端々にそういう細かい違いがあって、旧版も捨てられないのです。