alisatoの日記

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読了本

駒崎優『手折られた青い百合 歓楽の都』
駒崎優『譚詩曲の流れゆく 歓楽の都』

なんちゃってヴィクトリア朝(というより国王がいるんだから、第一次世界大戦ちょっと前ぐらい)の公営歓楽街(吉原みたいなもんか)で起こる事件を高級男娼と貴族の医者が解決していく話。非ボーイズラブとしてはグレーゾーン。キス止まりだけど、主人公が男娼だし。でも直截な表現が出てこないので、ワタクシ的にはオッケー。なにより主人公ふたりのビジュアルが気に入った。

国王貴族公認の高級娼婦&高級男娼が住むという設定のレーンの街は、具体的なお仕事内容も娼婦同士のいがみあいも客をめぐってのどろどろだも出てこないので、えらく住み心地がよさそうな場所に見えますな。一応ティーンズ向けなのに、いいのか、それで。いや、ティーンズ向けだから、むしろこれでいいのか。

『蒐集家』は、「終夜図書館」と「海を集める」だけ読んだ。
「終夜図書館」は面白かった。読点なしの文体も含めて傑作といってもいいかも。でも相変わらずの読者批判と自意識過剰と僻みっぽさが鼻につくけど。まあそういう負の感情を作品をつくるエネルギーにするのは、小説家といて正しい姿勢だと思うけどね。
ネット書評家批判は結局のところ同族嫌悪でしょ。作家になっていなけりゃ、この人もそういう辛口批評家になってたにちがいないんだもの。マニアにありがちなプライドは高いのに成果が追いつかないタイプ。本人も自覚しているから攻撃的になるんだろう。
これがきっかけで一皮剥けるのかどうか、生暖かく見守りたいと思います。(あー、この感想は外には出せないなー。)
「海を集める」は皆川博子の匂いがする。