alisatoの日記

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読了本

鋼の錬金術師 3 神を継ぐ少女』
スクウェア・エニックス ゲームノベルズ ,2005.12,\980, ISBN4-7575-1570-7)
ノベライズとして良くできている。ゲームのシナリオエピソードをうまく並べかえて、小説としても違和感がないように書かれている。
特にうまいのは重要な小道具であるカメラの使い方。冒頭で登場して、ゲームをやっていた人はニヤリとする仕組み。ゲームではあまり出てこなかったウィンリィの心情が描かれているのが良かったな。
前作はゲームシナリオそのままだったが、今回は原作に通じる小ネタもいろいろ入っていて、原作や二次創作をかなり研究したのではないかという印象をもった。

小説としてはもう少し掘り下げてもいいとは思うが、ノベライズの制約として、あまりゲームシナリオから逸脱もできないだろうから、これぐらいでバランスとしてはちょうどいいのかも。
あまり変えるとゲームをやった人から文句が出るだろうから。実際読んでいて、「私があんなに苦労したステージが一瞬で終わってる! 敵が出てこないじゃん!」とちょっと物足りなく思ったし。いや、小説的には一瞬で終わるのは正解なんだけど。

・桜庭 一樹『GOSICK 5 ゴシック・ベルゼブブの頭蓋』
富士見書房 富士見ミステリー文庫 ,2005.12,\588, ISBN4-8291-6328-3)
修道院に連れて行かれたヴィクトリカを一哉(←これでよかったけ?)が連れ戻しにいく。
勝手に連れ戻しちゃっていいのかなーとずっと考えてました。一応ドリル頭兄さんの許可を得ているということになるのかな?
ヴィクトリカの母親のキャラがよくわかりません。

・浅田 次郎『沙高楼綺譚』
徳間書店 徳間文庫 ,2005.11,\660, ISBN4-19-892329-9)
浅田次郎は読者をコントロールする手腕があざとく感じられて読むのをやめていたんだけれど、この手の奇譚集は作者の技術が命なので期待して読んだ。面白かった。絶対面白いだろうと思いながら買って、読むのを楽しみにしていて、期待通りの面白さで、とても嬉しい。
庭園に見入られた女の話と最終話(どうみても『本気!』です)が面白かった。語りの裏に昭和史が見え隠れするのも、この連作集のポイントのひとつ。

・新井 潤美『不機嫌なメアリー・ポピンズ イギリス小説と映画から読む「階級」』
平凡社 平凡社新書 ,2005.5,\798, ISBN4-582-85273-4)
あともう少しで読了。主にオースティンを扱っている前半の方が面白い。後半の『ハリポタ』あたりになると書くことがなくなったらしく、話題があちこちに飛んで読み応えとしてはいまいち。
平凡社新書は、タイトル倒れでないしっかりした内容のものが多いなという印象。(ダメなのは中公ラクレ)