alisatoの日記

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ダイアナ・ウィン・ジョーンズ『呪文の織り手』

白樺湖のホテルで読了。
面白かったー! 
相変わらず兄弟姉妹はいがみ合ってますが、主人公が女の子のタナクィだったせいか、1巻目よりは我慢できました。これで視点がダックの上にあったら、耐えられなかったかも。タナクィも他人の目から見たら鼻持ちならない女の子だと思うんだけど、視点が乗っているぶんには気にならない。
ミもフタもないきょーれつな人間関係は、確かに橋田すが子的。

でも、DWJの魅力は人間関係よりも、ミステリーの謎解きにあるんじゃないのかな。水車小屋の謎、〈不死なる者〉とは何者なのかという謎、タナクィたち兄弟姉妹が何者であるかという謎、母の幻の謎、タナミルは何者なのかという謎、それが一度タナクィの手によってローブに織られて、文字通り読み解かれ、第二部できれいに再構成される。すばらしい。

そういえば、ザラ叔母の憎しみの理由については、作中じゃなくて用語集で明かされる。あれで、彼女の行動原理が腑に落ちた。実はあの人は(作中でも語られている通り)タナクィによく似ていたのかも。