alisatoの日記

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読了本

『別冊暮しの手帖 すてきなあなたに 春・夏』
暮しの手帖』に連載されていた「おしゃれなイラストとおいしいエッセー」をよりぬいたムック。
36年も前の1970年代からこういうおしゃれなエッセイを連載しつづけているのは凄いことだ。母が購入していたので、昔は愛読してたんですけどね『暮しの手帖』、今読むとちょっと鼻につくところがあるな。付け焼刃でなくお友達とおしゃれなランチパーティを楽しんでらっしゃる方々のエッセイなんで、どうせウチとは格が違うわいとか思っちゃうのよねぇ……。

荻原規子『樹上のゆりかご』
男子校だったころの伝統行事を受け継ぐ高校に通う上田ひろみは、友人とともに生徒会執行部の仕事を手伝うことになる。だが学校行事の準備に追われる校内で次々と事件が起こり……。

『これは王国のかぎ』の上田ひろみが登場する恩田陸ライクな学園ミステリー。でも、なんとなく座りが悪いんだよなぁ……。
恩田陸の学園物+梨木香歩「渡りの一日」(文庫版『西の魔女が死んだ』収録)みたいな感じなんだけど、
「名前のない顔のないもの」の意味がいまいちピンとこないせいか、近衛有理の存在が唐突な印象を受ける。
学校における男性原理と女性原理の対立みたいなものを描こうとしているのかもしれないけど、そういう方向に話をもっていくのは無理があるんじゃないか。

私の出身高校はもともと女子校で、辰川高校とは逆に共学クラスと女子クラスがあって、女子が踊る伝統のダンスなんていうものまであった。でも学校行事の雰囲気は辰川高校と似たようなものだった。
たしかに「学校」という場所には、異端者を排除するような「名前のない顔のないもの」は存在するんじゃないかと思うけど、それをフェミニズムっぽい文脈で語られるのには違和感がある。だって、バンカラな気風なんて全然ない私の出身校にもソレは存在していたんだから。

モデル校の出身者であるニムさんは、読書感想でFS(ファイアーストーム)と嵐踊りのときの疎外感に言及しているので、そういうものは確かにあったんだろうけど……うーん、でもやっぱり違和感。
下手に学園ミステリー風にしないほうがよかったんじゃないかという気がするが。