alisatoの日記

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木原音瀬『あのひと』

木原音瀬『あのひと』読了。
これもBL。すごく良かった。『B.L,T』よりこっちのが断然好き。

大学生の門脇は、数学講師・松下に想いを寄せられる。友人にゲイのカップルがいるものの自分は同性に興味はないからといったんは松下を拒絶した門脇だが、アパートの火事がきっかけで松下のマンションに出入りするようになり、そのまま身体の関係にまで進んでしまう。
松下は門脇が自分に恋愛感情を抱いていないことを知り、転勤を機に別れを告げるのだが……。

主人公ふたりが男同士というだけで、中身は人間関係に不器用なふたりの恋物語
門脇が松下の蔵書読みたさにずるずると関係を続けるなんていうのは、男女間でもよくある話なんじゃないかと思いますが、男同士だと社会的信用に対するリスク高いので、それで打算が相殺される感じ。

主人公たちの肉親による同性愛に対する拒絶反応も描かれていて、その点は結構リアルなのかなとも思いました。

結局のところ恋愛物の醍醐味というのは、メリットなんてものがなくてむしろリスクが高いのにそれでも恋に落ちるという点にあります。障害の高さがポイントなんですが、もう身分の差や年の差なんて存在しないも同然だし、「不倫」だって容認の方向にある。というわけで、(外部からの)恋愛障害度が高いのは、いまや同性同士か肉親同士ぐらいしか残ってないわけで。
(現代を舞台にした)「純粋なロマンス恋愛小説」として存在し得るのは「やおい」だけってのも仕方がないことなのかも。

でもまあ、そういう話は置いといて、一番の読みどころは松下センセイの17歳も年下の恋人に寄せる一途な想いでございますよ。『B.L,T』の攻めと同じく、一歩間違えばストーカーなんだが、この人も。