alisatoの日記

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読了本

『百年の誤読』
歯医者で待っているときだけ読む本だったので、読了に半年以上かかった。トヨザキさんと岡野宏文氏ががずんばらりんと百年分のベストセラーを切り刻んでいるが、ベストセラーになった状況を覚えている1981年以降が面白かった。

一番興味深かったのは『積み木くずし』かな。
親に自分のことを本にされた子供ってほとんど最後は「壊れちゃう」んだな。クリストファー・ロビンとか、ジェイムズ・ティプトリー・ジュニアことアリス・シェルドンとか。曽野綾子の息子はどうだか知りませんが、あれは高校生だから大丈夫だったのか。
あんまり自分の子供のことを作品にすべきじゃないんでしょうなぁ。育児漫画とか描いている人の子供は大丈夫なのか。あんまり売れなきゃ大丈夫か?
まあ『積み木くずし』の著者は特に問題のある人のようですが。

あと「くだらない悲劇的な効果を出すためだけに、そういうデリケートな問題を道具として使うなって言いたいです(p.380)」っていうのは至言だな。

吉本ばななとコバルトについて語られているp.316はあとで抜書きしておこう。

ただ郷ひろみ二谷友里恵のユーモアセンスをあげつらっているけど、そのあたりは批評している当の二人も五十歩百歩だと思うがな。

森 博嗣『数奇にして有限の良い終末を
これも読むのに1年かかった。文庫だったら、もっと早く読めたかも。
一番興味深かったのは 9.11のときのビルの崩壊に関しての記述。
あそこだけは「作家・森博嗣」のペルソナを脱ぎ捨てて、建築に携わる人間としての顔が出ていた。
あとはまあ、「作家・森博嗣」節ですね。
2004年に刊行された2001年の日記を2005年に読んでいるので時系列が混乱。