米沢 穂信『愚者のエンドロール』
(角川書店 角川文庫 角川スニーカー文庫 ,2002.8,\560, ISBN4-04-427102-X)
『氷菓』のつづきだったんですね。前作を読んでいないせいか、メインキャラクターの把握が難しかったです。未だに把握しきれず。
高校の文化祭で上映されるはずの、結末のないミステリー映画の結末を推理していく話。謎は二重底になってます。
「女帝」と呼ばれる人物のキャラクターが面白かったです。
女性が書いたらもっといやーんな話になると思うんだけど、割とあっさりさわやかにまとめています。
タロットカードはあんまり上手く絡んでいないなという印象。タロットが出てこないとタイトルとつながらないので、出さざるをえないんでしょうが、もうちょっと上手い出し方もあったかなと。文化祭なんだから、出し物で占いやるとか。うーん……最初の構想ではあったのかも……。
黒幕はお姉さんということでよろしいのかな。
さわやかで少しユーモラスで後味も悪くないよく出来た人の死なない青春ミステリ。
ただ、キャラクターに感情移入しにくかったので、わたしの好みかというと微妙。